人の見ているものというのは、とても曖昧なものだと思う。 得てして、その時の気分や調子、環境によって目の前の光景の感じ方は変わる。 そんな時ふとした瞬間、目の前の風景がとても美しく感じられる事がある。 それはただ自分の気持ちの変化や環境の変化が反映したというだけの事かも知れないけれど、その時に見た風景というのは、ただ美しいと感じたということ以上にその場所の風景としてでは無く、抽象的な風景となってある普遍的な力を持つようになると思う。 そういった風景は自分の中にどんどん溜まっていき、普段は忘れているけれど、ある瞬間では自分の気持ちや考えをどこか新しい所に連れて行ってくれたりする扉になる力を持っているように感じます。 私の描いた風景は、他の人にとっては知らないどこかの風景であるけれど、 「美しいと感じた事」は、他の人がそれぞれ持っている風景と共鳴し その人の持っている風景を思い出させたり、これから見るものに少しでも変化を与えることができるのではないかと考え制作しています。

2014年10月31日 横山大河